›2004年 12月 24日

[ 範疇 : 映画のある部屋 ]

Children of the LivingDead

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 最近、妙に忙しい中をかいくぐって、なんとか見てしまいました。
 ゾンビ映画。
「トム・サヴィーニ in チルドレン・オブ・ザ・デッド

製作:2001年 米
製作:ジョン・A・ルッソ 他
監督:トー・ラムシー
撮影:ビル・ハインツマン
出演:トム・サヴィーニ 他

 
 うーん、まず、この羅列された名前からして、凄いね(;´Д`)ゾンビファン鼓腹撃壌。

 ゾンビ映画ファンにとって、ジョージ・A・ロメロの一連のリビングデッド・シリーズは特別な意味を持っているはずです。最近リメイクされた「ドーン・オブ・ザ・デッド」にしても、ボイル監督作「28日後」にしても、そこかしこにロメロ愛が見え隠れしていて、同好の仲間としては嬉しくなってしまうんですよね。
 
 そんなロメロ原理主義者にとって、上で挙っている名前の数々は、それこそ因縁に満ちたもの。
 まず、筆頭に挙っているトム・サヴィーニは、ゾンビ物のみならず数々の名作ホラー映画のモンスター・メイク担当として関わった特殊メイク界の第一人者にして、1作目のリメイク「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 死霊創世記」では監督として関わったほど、ホラー界では名の知れた人物。
 ゾンビ映画ファン垂涎の巨匠といっても過言ではありません。
 ちなみにザシキ師匠がハリウッドで特殊メイクを勉強していた時に、講師として教わったこともあるとか。
 …しかし、今回は特殊メイクではなく、あくまでも主演としての登場のようなのです(;´Д`)あとスタント・コーディネートも携わったらしい。
 
 で、続くジョン・A・ルッソは微妙な存在なのだが、記念すべき1作目「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/ゾンビの誕生」の脚本家にして、悪名高き「最終版」を製作したA級戦犯。そんな彼が製作に関わっているわけです。…微妙。
 
 撮影のビル・ハインツマンも、1作目で墓場ゾンビを熱演したゾンビ映画を語る上では欠かすことのできない人なんだが…これもまたゾンビ役者ではなくて、撮影ってポジションでの参加(;´Д`)ああ、微妙。
 
 そんなゾンビ・マスターズな映画が、この「チルドレン・オブ・ザ・デッド」なわけです。
 もう、表紙にもでっかく「トム・サビーニ in」と書かれちゃった以上は見ないわけにはいかないんですよ(;´Д`)因果な趣味だわ。
 で、実際にレンタルしてみました。

 やっぱり糞映画でした。

 まず、冒頭からトム・サヴィーニ大活躍です。
 「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」を彷彿とさせるゾンビ狩りのシーン。
 ヘリコプターが飛び回り、地域住民とおぼしきオッサンたちが草原でライフルを構えて、うろつくゾンビたちに容赦なく銃弾を浴びせまくっているんですが、トム・サヴィーニだけは別の草原で孤軍奮闘、ひとりっきりでゾンビたちと戦っているわけです。…何故ひとり?
 で、これが無駄にかっこいい(笑)。
 まるでサヴィーニのプロモーション映画かと思うくらいに、拳銃をクルクルとまわしたり、地面を転がったり、ゾンビに横蹴りを喰らわせたりするわけです。ほとんど場末のデパート屋上で見られる着ぐるみ戦隊ものヒーローショウばりのアクションが堪能できます。
 
 かと思ったら、ボスキャラ登場。
 サヴィーニ、殺されます。
 ええええ、もう終わり?(;´Д`)これぞ羊頭狗肉…。
 
 それからは生前から悪逆非道な犯罪者だったらしいボスキャラの正体が徐々に明かされ、その悪の巣窟的な屋敷を買い取って自動車販売センターにしようと思う業者たちが少しずつ襲われたりして、最後にはドライブインを舞台にゾンビと人間の地味な接近戦が繰り広げられることになるわけですが、いやはや、いかんせんB級のテレビドラマを見ているかのよう。
 会話シーンでは、話者が切り替わるたびにミディアムショットで人物が映し出される凡庸ぶり。
 要するに悪のモンスターであるゾンビ vs 人間たちの生死を賭けた戦いってストーリー。
 
 そんなストーリーでは、ゾンビファンは喜びませんよ?
 ぶっちゃけ、ジャンル的には脳味噌いらないアクション映画なんだもん。
 
 そもそも、ゾンビって不特定多数の恐怖なわけで、強烈な個に怯えるべきモンスター映画とは一線を画するものであるべきでしょう。
 しかも善悪二元論的で、要するにモンスターであるだけで「悪」ってな単純明快な構図。
 それって、よくある戦争映画と同じような価値観なんですよね。
 ドイツ軍だから殺して良い。
 日本軍だから、すべて悪い。
 反体制だから逮捕すべきだ。
 それって一方的な価値観からの勝手な決めつけにすぎないんじゃないですか?
 なんでナチスドイツ政権下でのパルチザン活動は讃えられて、アメリカ大使館襲撃テロなんかは非難されるんでしょうか? 
 もちろん、逆に良いという話でもない。オイラはテロを肯定しない。
 そもそも「良い」だの「悪い」だのを決めてしまうことがおかしいのでは、と言っているのだから。
 
 ロメロの映画においては、ゾンビの存在は自明のものだった。
 あくまでも自分の生命を脅かす危険な存在。
 ただ、それだけだった。
 みんな、自分が生き残るのに必死だったし、ゾンビに憎悪を燃やすこともなかったのである。むしろ憎悪を持って、ゾンビをいたぶる人間の姿こそがモンスターとして描かれてはいなかっただろうか。
 
 残念ながら、この映画にはそういった人間批判的な要素は見当たりませんでした。そういう意味でも、「チルドレン」を名乗れるほどのものではありません。
 
 やはり、ロメロ御大によるリビングデッド・シリーズ待望の第4弾「ランド・オブ・ザ・デッド」の公開を待つしかないようです!! 2005年10月21日公開予定!
 
 しっかし、昨今は、ゾンビ映画ブームらしく、次から次へと良質なゾンビ映画から、相変わらずの駄作まで量産体制に入っているようで、これからも動向から目が離せません。ダニー・ボイル監督も「28 weeks later」を製作するとのことですし、「バイオハザード」も続編が決定したとのこと。
 あとは新たなる名作さえ生まれてくれればオイラはもう何も言うこともありません。

 なお、ゾンビを良く知るためのリンク集。
 ■ゾンビ手帖
 ■ゾンビのダンナ!
 ■ホラー映画のB級哲学
 ■Making of the Dead
 ■ゾンビ3部作
 ■感動追究大作戦
 ■初心者のためのホラー映画名作コレクション
 ■ゾンビの館
 ■ゾンビ天国
 ■ゾンビ(ヴードゥー教)

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